建物が古くなると、付属する水道関連設備も老朽化が進みます。

給配水管設備内の露出した鉄面が長い年月を経て錆び、そのサビが剥離して、赤い水や濁った水が出てくるのです。

サビの原因となる設備は主に3つ。

1.配水管

2.給水管

3.貯水槽（高架水槽含む）

水道施設から、道路の下を通って幹のように太い管でつながっているのが配水管です。

その先から、ご自宅まで、枝のように、つながっているのが給水管。

一方で、マンションのような共同住宅の場合は、水道施設から一旦、貯水槽に貯められた水を各住居に給水しています。

たとえば、一軒家の場合。ご自宅だけ、赤水が出るのであれば、2.の給水管に原因がある可能性が高いといえます。

一方で、ご近所様も同様であれば、その一帯に水を送る1.の配水管が原因と考えられるでしょう。

共同住宅の場合は、全ての住宅が同じ期間過ごしていることになりますので、いずれの可能性も考えられますが、赤水は、水道を使っていない期間が長いと発生しやすいもの。なので、しばらく空室となっていた住宅では、赤水が出るが、日常使っているお宅では気にならないというケースもあります。

安全性

蛇口を捻ると、赤い水が出た！

はじめてそんなことに出会うとギョッとすることと思います。

でも、それほど心配することはありません。

赤水の原因となる鉄は、人体に必要な成分で、食物などから摂取しています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、成人男性が約7mg/日、成人女性が約10mg/日となっており、耐容上限量が、40mg/日から50mg/日程度です。

水道水の水質基準値は、0.3mg/L以下。鉄が0.3mg/Lを超えて含まれると、水は透明感が失われ着色して見え、味が悪くなるので、容易に気づきます。

人が１日に必要とする水分量は2.5リットルといわれているので、たとえすべての水分を、その赤水で飲んだとしても、摂取量は0.3mg/L×2.5L＝0.75 mgとなり、上限量の2％ほど。さらに、鉄は人体への吸収率が低く、大部分が排出されるため、特に心配することはありません。

そうは言っても気持ちのいいものではないので、体調不良を起こす場合もあるでしょう。ましてや、乳幼児が誤飲した場合などは心配ですので、異常を感じた場合は、医師の診断を受けましょう。

対策

通常、赤水はしばらく水を出しっぱなしにすることで、透明感が戻ります。飲料用には、見た目透明になってから使用するのが良いでしょう。

透明になる前の赤水は、貯めておいて、飲料以外の用途にお使いいただくのが良いでしょう。

一方で、貯めておくのは面倒だし、そのまま流しに流すのはもったいない、あるいは、しばらく水を出し続けても、解消しないという場合もあるでしょう。そんな時は、赤水を濾過する機能のある浄水器を取り付けるのがおすすめです。

ご自宅ではあまり調理をしない、というのであれば、ウォーターサーバーやミネラルウォーターに切り替えてしまうのが良いでしょう。

「赤水が出ないように根本的に解決したい」ということであれば、サビが発生している場所をつきとめ、対処する必要があります。

1.の配水管であれば、水道局に連絡し、対処してもらいます。洗浄作業でいけるのか、あるいは交換が必要なのか判断することになるでしょう。

2.給水管、3.貯水槽の場合は、基本的には、水道局ではなく、個人、および管理組合が主体となって、対策を講じます。

問題は、何が原因かわからないので、どう対処すべきか判断に迷うことです。

まず、共同住宅の場合は、管理組合や大家さんなど、全体を管理する立場にある方に相談するのが良いでしょう。その上で対応策を検討するのが現実的です。

一軒家の場合は、まず、水を出しっぱなしにすることで、解決するのであれば、給水管の可能性が高く、出しっぱなしにしても解消しなければ配水管の可能性が高いです。

その上で、ご近所様に、赤水が出ないかどうか、聞いてみることをおすすめします。

ご近所様も含めて、赤水が出続けるのであれば、配水管のサビが原因の可能性が高いので、管轄の水道局に連絡しましょう。

ご近所様に赤水の症状がなければ、ご自宅の給水管に問題がある可能性が高いので、水道修理受付センターにご連絡ください。

原因を調べ、必要な措置を行います。